つむぎめむすび

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【十二国記・華胥の幽夢】責難は成事にあらず

いつか辛いこととか大変なことがあった時に、すぐに十二国記の名言に勇気をもらえるように、印象的な言葉を書き留めておこうと思う。

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第一弾。まずはこれでしょう。

 

責難は成事にあらず

ーーー『華胥の幽夢』281頁

 

十二国記読者にしたら、あまりに有名ですね。

 

あの場面のスピード感、現場の混乱の中「禅譲でございます!」「禅定ゆえに、御遺言がございます」と慌ただしい様子で言われた言葉。それなのに、この遺言が伝えられた途端、その場が一瞬で静まり返るような、そんな存在感がある。

失道から自力で麒麟を救った例はほとんどない。砥尚は、いつこの遺言に辿り着いたんだろう。この言葉に辿り着けばもう一度やり直せるんじゃないって甘い期待をしてしまうけど、その時にはもう何もかも手遅れだったのだろうか。天へと向かう道で悟ったのだろうか。

 

ファンタジー小説の世界とはいえ、この言葉を日常の中で思い出すことは結構あって。
人に対して、会社に対して、社会に対して、批判を言ったり、愚痴ったり、それは人間として当たり前のことだと思う。

でも別に批判したからと言って、自分が彼らより偉くなったわけでも、優れているわけでもない。当たり前のことだけど、すぐに人はそれを忘れて、悪口を言う自分に酔って、さもそんな悪口を言われるようなことをする他者が悪い、だから自分は偉いのだと思ってしまう。

 

私だってそうだ。
振り返ってみれば愚かだったことなんていっぱいある。

今だってあるし、きっとこれからもあると思う。

でも、何か嫌なことがあってその何かを恨めしく思う時、この言葉が心にぽっと浮かぶ。あ、今これだな。みたいな。

お守りみたいな感じだ。
この言葉に出会えただけで、少なくともこれからの人生、何か批判したい時にこ私の暴走しそうな負の部分を止めてもらうことができる。

 

本にはそんな出会いが隠れているから面白い。
私の性質上、テレビや映画だと流れてしまうので、文として読んだ方が名言をしっかりと覚えていられる。だから本が好きだ。

 

責難は成事にあらず

何かを責めて誇らしくなったからって、それは何事かを成したことにはならない。それに奢らず、自分は自分の責任でしっかり歩いていこう。

 

#毎日更新50日目