ひさしぶりのいつも

月に1度の歯医者の日だったので（その後買い物も）、久しぶりに「ちゃんとして」外出。

久しぶりに部屋着じゃないの着た。

出かけると、思ってた以上に暑くてもうちょっと涼しげな格好にすればよかったと思った。

久しぶりにコンタクトつけた。

半日つけたらすごく疲れて、家帰ってすぐ外した。

久しぶりに髪セットした。

前髪上手くいかなかった。

久しぶりに眉描いた。

濃くなった。

久しぶりにアイシャドウつけた。

つけすぎた。

久しぶりにお出かけバッグ見た。

なに入れてたか忘れた。

久しぶりに出かけようとした。

靴下が部屋用のままだった。危ない危ない。

久しぶりにお気に入りの靴履いた。

ちょっときつかった。

靴下を薄めなやつに変えた。

今度はうまくいった。

久しぶりに腕時計つけた。

帰ってからどこに置いたか分からない。

久しぶりに出かけると、「当たり前」だったお出かけの仕方を忘れてた。

いつも以上に身支度に時間かかった。

いつもならしない忘れ物もした。

いつも通りに行かなかった。

あれ？

「いつも」っていつ？

「当たり前」っていつだっけ？

久しぶりは当たり前？

いつもは久しぶり？

私が今ぽろぽろと忘れていっているのは、「いつも」？それとも「久しぶり」？

「いつも」が「久しぶり」になって、「久しぶり」が「いつも」になっていく。

「今日からは私が『当たり前』だから」と日常が薄らと変わっていく。

無自覚な変化。

そんな変化に気付いた今日。

久しぶりに出かけると、「久しぶり」と「いつも」の狭間でゆらゆらと揺れる自分に出会った。