『おくのほそ道』芭蕉のように心を自由に旅ができる日を夢見て
角川文庫のビギナーズ・クラシックスというシリーズにハマってる。
古文を中高生でも分かりやすく解説してあって、もう27にもなる私だけど、シリーズ全部読みたいくらい面白い。
今読んだのは『竹取物語』『平家物語』、そして『おくのほそ道』。どれも古本屋やメルカリで見つけた順(笑)
今回読んだ『おくのほそ道』。
大学時代、近世文学を専攻してたけど、研究外だったからちゃんと読んだのは初めてだった。
文字通り、旅に人生をかける芭蕉の様子に、ページをめくる手が止まらなくなった。
徒歩や馬、船くらいしか移動手段がなかった江戸時代。1日50km近く歩く日もあったらしく、江戸時代の旅の大変さを知った。途中病気になったりもしてて、改めて、旅に出るってだけでもかなりの覚悟が必要だったんだなあと。
それを思えば今は楽になったもんだ…
そう思ってふと、現在の生活を振り返ってみたけど…
んんん?
なんか今って江戸時代より旅しづらい世の中になってない?
いくら交通が発達しても、経済的に豊かになっても、未知の感染症を前にしたら、江戸時代よりも外に出られないようになるなんて。人間って本当に無力だなあ。こんなの知ったら芭蕉もびっくりだろうなあ。
本当はこの9月の4連休に大学時代の友達と東北旅行をするつもりだった。まあ、それも具体的な計画を立てる前に自然消滅しちゃったんだけど…。
『おくのほそ道』の舞台はまさに、訪れようとしていた宮城や岩手。芭蕉と一緒に旅してる気持ちになると同時に、不便をしいられながらも自由に旅する芭蕉がたまらなく羨ましくなった。
県外への移動は自由になってるとはいえ、まだまだそれは程遠い。少なくとも私の体感では、県外へはまだ行けない。行って感染してたら…と思うと、その後が怖くて。
まさか江戸時代の作品から、旅を教えてもらう日が来るなんて。まさに『るるぶ』とかの旅行雑誌見てる気分だった。
小説で旅行を擬似体験するのも悪くない。家に篭りながらも、そういう楽しみがあることを知れたから、これもまた有意義な時間の使い方だったのかな。うん。そういうことにしよう。