つむぎめむすび

つれづれなるままに、何気ない今日を。

「自分の人生に申し訳ない」会社を辞めたあの日の話をしよう

「このままここにいても自分の人生に申し訳ない」

 

もう3年前、新卒で入った会社を辞めるために常務と面談した時に言った言葉。会社を作り上げてきた常務相手に私はなんてことを言ってるんや…。


冷静に振り返ると自分すごいな…どうかしてたのかな…と思うんだけど、これが1番の本心だった。常務は40代の女性で言いやすい雰囲気だったというのもある。もちろん。じゃないとやばいやつや、まじで。

 

「やりたいことがあります。他の世界を見たいです。お願いですからここから出してください」

 

こんな思いだった。もう、なんというか必死だった。新卒は引きとめられてなかなか辞められないと聞いていたから、はっきり言おうと思って…。(あぁ思い出すたび申し訳ない)

 

 

そこで働いてた頃、勤務時間中は会社の中だった。ずっとパソコンの前って感じだった。

たまに自分のいるフロアから下の階に行くために階段を降りると、踊り場からとってもきれいな青空が見えて。「あぁ、めっちゃ鳥の気分…籠の中の鳥ってこんな気分なのかな…」といつも思ってた。

 

「お願いです。籠の鍵を開けてください」

 

この仕事が嫌いとかそういうのじゃない。でもここを離れたい。自分のために。自分の人生後悔しないために。

ずっとそんな風に「お願いだから、お願いだから」という気持ちで話してた。具体的にやることなんて決まってなくて、もちろん次の職探しもしてなくて。(転職のために辞めたというより、とにかく好きなことをしたかった)

 

世間には色々な目がある。大抵の人からは「どの会社だって同じだよ」「新卒だからそんなに辞めたいんだろうね」「私の前のところはもっときつかったよ」と言われた。

嫌味ではなく、私のことを心配して言ってくれていたのは分かってた。自分が甘いことだって重々承知。

 

でもそんな時、会社に強力な味方がいてくれた。

 

「24歳でしか感じられないものがある、いいから羽ばたけ」

「頑張れとは言わない。でもこんなところで『負けないで』」

「苦労には2つある。あなたが今しているのはやらなくてもいい苦労」

 

どれも私にとって大切な、大切な言葉。


辛くて泣いていると、「こんなところで潰れるな。こんなことで泣かなくていい。おかしいのはあなたじゃない」と言ってくれた。肯定してくれる存在がいるだけでこんなに楽になるんだなあと思った。

 

「しなくてもいい苦労」がある、と知れたのも新卒の私には大きかった。

新卒で入って他を知らないと、どうしてもその会社・仕事が全てになるし、周りを見られなくなるのだと思う。

 

「今、辛いのは私が弱いからだ」とか「社会は理不尽なのが当たり前なんだから、ここで踏ん張らないと」とかそんなことを考えてしまってた。

意外と辞めてもなんとかなるし、世間には色んな仕事と働き方があるのに。

 

あの頃は自分にかける言葉を完全に間違えていたなあ…。今ならそう思える。

心と体が一緒になってなくて、どちらかだけが先走って、どちらかが置いてきぼり。ありがたい言葉をもらったおかげで、やっとちゃんと自分と向き合えて、自分にかける言葉が分かり、自分がやるべきことがはっきりした。

 

それが私は「会社を辞めること」だった。もちろんそこで「その場所で頑張る」という選択もあると思う。どんな選択も正解。自分と対話して出した結論なら。

 

私はいつも「自分が納得して出した結論ならどんな答えもマイナスじゃない」と考えてる。

高校生くらいからかな?ずっとこの考えでやってきてる。


周りの人からびっくりされるような選択をしたり、はたから見ればネガティブな方を選んだりしても、私はめちゃくちゃポジティブな気分で飄々としてた(笑)


自分に自信があるっていうわけではなく、自分が納得してるから。こっちにいっても後悔しないって分かってるから。というか後悔しそうになったら、そうならないように全力で頑張るから(笑)

 

前職では素敵な友達との出会いもあって、別れはやっぱり寂しくて、最終日は涙が出たりもしたけれど、辞めて後悔した日は1日もない。後悔したらそれこそ「自分の人生に申し訳ない」から、とにかくそうならないように自分が思うように歩いてみた。

 

でも、前職の仕事自体はとっても好きで。日本中探してもあの仕事をしている人はほとんどいないレアな仕事で、そこでしかできないことだったから、前の会社に入ったことを後悔したことなんてない。

もう1回就活しても私はあの会社を選ぶと思う。そして、また同じタイミングで辞める(笑)

 

誰から始まったのか「3年は頑張る」という考えが一般的だけど、私にとっては前の会社にいた1年9ヶ月で充分3年分でした。「もう大丈夫です。満足です」って気分だった。結局自分次第じゃないのかな。

 

社会がなんと言おうと、人生は自分のものでしかないのだし。

 

「人生が何回もあるなら、ここで頑張るのもいいかもしれない。でも1回だけ、1回しかないんだから。早く辞めなさい」

 

これも最強の味方からもらった言葉。この方は私よりもずっと年上だから、いつでもはっきり言ってくれた。

人生1回しかないって結構な賭けだよなあ。これからのことだって何にも分からないけれど、ちゃんと自分の心と向き合ってやっていきたい。

 

そして、あの頃の自分と同じような人を見つけたら、私にとって味方がいてくれたように、そっと手を差し伸べられる人になりたい。そのためにはまずは自分が心にゆとりを持っていなくちゃな。

 

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