つむぎめむすび

つれづれなるままに、何気ない今日を。

出会いに出会う。古本屋。

「いつからいるの?」

「一体誰を待ってるの?」

 

棚から動かずただただ待ち続けている本達を見ていると、ついそう問いたくなる。

 

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ぴかぴかの本じゃない。

ここにあるのは、一度誰かの手に渡った本たち。

「一度」だけではなく、何度となく色んな人の手に触れられてきたのかもしれない。

 

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パラパラとページをめくれば、新品の本と違い、すっと手に馴染む感覚がある。

前の「読み手」の存在を感じる。

 

今度は私が新しい主になってもいいだろうか?

そう問うても、何も答えない。

ただそこにあるだけ。

 

だからこそ、自分が手にした出会いに運命的なものを感じてしまう。

そこから始まる新たな世界が垣間見える。

 

行ってみようか。

行けるだろうか、この本と。

 

半信半疑の期待を胸に、レジへ向かう。

 

「今日からお前はうちの子だよ」

 

帰ってきて、自分の本棚に並べる。

新たな家族。

 

さあ、どんな世界なのだろうか。

期待通りか、期待以上か、期待が無駄になるのか。なんだっていいじゃない。

ページをめくっている時間は、ものすごく満ち足りているのだから。

 

また誰かに出会えるだろうか。

もっともっと、素敵な世界に出会えるだろうか。

 

そんなワクワクする出会いが隠れているから、古本屋通いはやめられない。

 

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#毎日更新118日目