つむぎめむすび

つれづれなるままに、何気ない今日を。

「3年間髪を切りません」外国人技能実習生の色々な覚悟

外国人技能実習生への日本語教育の仕事を始めて早1年8ヶ月ほど。コロナの影響で新しい実習生が日本に来られなくて、4月から授業はできていないんだけど…。

今まで出会った子たちのことを振り返ると、いろんなことを思い出す。授業をしていると、毎日毎日沢山の発見と驚きがある。本当にいつも刺激的。

 

今日は今でもよく覚えているある日の授業での話をご紹介。

 

その時間の授業は、もうすぐ会社に行く子たち相手だったから日本でよく使う言葉を教えようと普段のテキストではなく、副教材を使ってた。
その中で美容院でよく使う言葉集があって、女性だけのクラスだったからみんな興味津々。

ベトナムの美容院は日本とは0の数が一桁違うほど安い。ベトナムに住んでた時は周りの子たちが「安いから染めない?パーマかけない?」と再三勧めてきて断るのが大変だった(笑)海外で色々チャレンジするの好きだけど、さすがに美容院は勇気が出なかった。

帰ってきた時、日本での行きつけの美容師さんを困らせてしまいそうで(笑)

 

まあ、色々話しながら美容関係の言葉を教えていて、やっぱり行き着くのは美容院の値段の話。

「日本は高いですからね〜」

と私が言うと、みんなそれを知っていて、

 

「だからベトナムで切ってきました」
「3年間切りません」「3年間一緒です」


と笑いながら教えてくれた。

ベトナムの女の子は美意識、というか女子力がすごく高くて、写真を撮るのも大好き。写真を撮る時は何枚も構図やポーズ、フィルターを変えて撮る。

きっと、いつでも可愛く綺麗でいたいはずだけど、日本で働く3年間はそうした外見のお手入れも満足にはできないことを分かっているんだなあと。

私が教えている子たちはみんな親や配偶者、子供を母国に残し、それぞれが覚悟を持って日本に来ている。

色々な「覚悟」があるだろうけど、おしゃれ好きなベトナム人にとって、「髪を整えられない」(しかも値段が高いからという理由で)というのも、十分大きな覚悟だなと思った。

 

きっとまだまだ私が思う以上に、沢山の覚悟をして日本に来た子たち。

それぞれの人生に幸あれ。

どうか働く先がいい環境でありますように。

 

私にはそう願うことしかできないけれど、私なんかよりも何倍も強く、たくましいあの子たち。とにかく日本で元気に働いて笑顔で故郷に帰って欲しいと思ってる。

 

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#毎日更新114日目