つむぎめむすび

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「自分らしく」とりかえばや物語/田辺聖子

平安期最高で最大の問題作(だと思ってる)『とりかえばや物語』を田辺聖子さんの訳で読んだ。本屋で見つけた瞬間、表紙のきゅあっきゅあぶりにびっくりした。ちょっと恥ずかしい。

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男の子みたいな姫君と、女の子みたいな若者が繰り広げる痛快平安ラブコメディ。
都で評判の権大納言家の凛々しい若君・春風と、美しくたおやかな姫君・秋月。実はこの異母兄妹、春風は姫君で、秋月は若君。「ああ、このふたりをとりかえられたらな…」という父・権大納言の願いもむなしく、ついに二人は正体を隠して宮中デビュー!偽りの生活はどこまで続くのか!?
田辺聖子さんの平安王朝シリーズの第2弾。
「わたしはいままで古典の現代語訳によって、若い世代と古典との橋渡しをする、その仕事をたいせつに思ってきた。いまこのユニークな王朝小説をご紹介できるのはうれしい」(田辺聖子・あとがきより)

ーーーー「BOOK」データベースより

 

これの前に『おちくぼ物語』を田辺聖子さんの訳で読んだけど、例にもれず今回も「あれ、これってオリジナル小説かな?」って思うほど読みやすくて親しみやすい文章だった。古文をこんなに近くに感じられるなんてすごいなあと。

この物語ってどれくらい知られてるんだろう。私は高校生くらい?から知っててずっと読んでみたいなあって思ってたけど、それは私が単に古文を好きだったから?

 

こんなに面白いアイデアの古文があるんだって、色んな人に知って欲しい!
「男と女取り替えたい物語」
女の子のような男の子、男の子のような女の子の異母兄弟。そんな子たちが本当に入れ替わってお仕えしたり、結婚しちゃったりするから、もう大変!
同じようなアイデアは現代にもあるけど、まさか何百年も前の日本人も同じことを考えていたなんて…!古文のロマンだなあ。

「ああ、ありえないけどこんなこと起きたら面白そう」っていう「もしも」がはちゃめちゃに詰まってる感じ。
恋のだらしなさには正直辟易しちゃうけど、「ラブコメ」として読んじゃえちゃう楽しさがある。

 

つい私は、古文の表現をどう現代語訳に表現しているのかっていう視点で読んじゃったから、もう一回今度はその時代の女性像と照らし合わせて読んでみたいなあ。

田辺さんはあくまで女性の物語として捉えていたみたいだし。読む人の性別、年齢によって色んな読み方がありそう。

古文を身近に感じられる作品って嬉しい。色んな人に古文の魅力が伝わって欲しい。
読みやすい現代語訳、他にどんなのがあるのかなあ。色々読んでみたいなあ。最近また自分の中で古文ブームがやってきてる。でも、源氏ほど長いのは読み切れる自信ないなあ。紫式部、あんな長いのよく書けたよねえ。

 

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