和歌の解説を読みながら声を出して笑ったのは初めてだ【『恋する伊勢物語』俵万智】
『恋する伊勢物語』を読んだ。
内容(「BOOK」データベースより)
感想はただ一つ。俵万智さんの文章が最高すぎる!!とにかくこれに尽きる。
もともと私は古文が好きで、大学で近世(江戸時代)文学を専攻するまでは、伊勢物語が1番好きだった。
1番好きって言ってもただなんとなく和歌が豊富で共感しやすくて、それぞれが独立してて短編集みたいな感じだったから文意が把握しやすかっただけ。つまり、たいして分かってなくても分かった感じになれるから。笑
「そんな薄ぺっらい好意だけで伊勢物語を好きって言ってごめんなさい」って思うほど、『恋する伊勢物語』で知った伊勢物語の世界は奥深くて、きらきらしていて、すごくすごくおもしろかった。
まして、万智さんの文章がうまくて、声出して笑っちゃったよ。最高すぎたよ。教材として触れていた段も新しい視点で読めて、登場人物の様子がいきいきと伝わってきた。
こんなに色鮮やかな物語だったんだなあ。万智さんの文章はモノクロの古文の世界に色が塗られていくようだった。
欲を言えば中高生の頃から出会いたかった。そしたらもっと早く古文を好きになれた気がするから。これ読んでたら、つい原文も読んでみたくなったもん。あの頃に古文を愛読書にしてたらめちゃくちゃかっこよくないか?笑
同じ日本人なのに、異世界、異文化の人が書いたんじゃないかと思うほど遠い存在の古文。それをすっとひきつけて、今の私たちでも共感できて、くすっと笑える…。急に古文と仲良くなれた気がした。
この魅力は古文嫌いの人にも届く気がする。同じ日本人、同じ感覚を共有できれば、親しみを抱けるはずだから。
ちなみに、私が一番笑ったのは、おばあちゃんとプレイボーイの段。軽快な文章で、映画見てるんかなってくらい情景がありありと浮かんできた。
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