つむぎめむすび

つれづれなるままに、何気ない今日を。

「いつも」の子供の声は、大人の元気の魔法

1週間に1度の出社日。普段より眠気を感じながら車を走らせる。

小学生たちが元気に登校してる。

いつもの風景。

こころなしか帽子をかぶった小学生たちは楽しそうだ。るんるんしてる。

それを見守る保護者や通学ボランティアの人たちも、いつにも増してなんだか楽しそうだ。

気のせいかな。普段よりみんな少し浮かれて、笑顔が多い気がする。

 

小学生たちがえっちらおっちら歩いている間に、私が運転する車はすぐに小学校を通過する。

小学生たちの姿が見えなくなってから気付いた。

 

あぁ、今日は始業式か…。

 

「いつも」だと思っていた風景は「いつも」ではなく、「久しぶり」だったらしい。在宅勤務だったから、気付かなかった。

 

普段より家で過ごすことが多かっただろう夏休み。
久しぶりに友達に会ってるんるん嬉しいのは当たり前だ。

そんな楽しそうな子供を見守る大人が、思わず頬を緩めてしまうのも当たり前。

 

当たり前に楽しそうな光景に、私の胸まで温かくなった。

 

これを書いている今は、どこからか始業式帰りの小学生たちが元気に遊ぶ声が聞こえる。
どんだけ体力あるんだ…と思うほど、さっきからずっと野球やらサッカーやらをしてはしゃいでる。
明日は台風だから、今日思いっきり遊ばないとね。

 

元気をもらうなあ、子供の声は。
未来は明るい、そんな大げさなことまで感じてしまう。

今日も明日も、明後日も、みんな笑顔で過ごせますように。

 

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#毎日更新120日目

「自分の人生に申し訳ない」会社を辞めたあの日の話をしよう

「このままここにいても自分の人生に申し訳ない」

 

もう3年前、新卒で入った会社を辞めるために常務と面談した時に言った言葉。会社を作り上げてきた常務相手に私はなんてことを言ってるんや…。


冷静に振り返ると自分すごいな…どうかしてたのかな…と思うんだけど、これが1番の本心だった。常務は40代の女性で言いやすい雰囲気だったというのもある。もちろん。じゃないとやばいやつや、まじで。

 

「やりたいことがあります。他の世界を見たいです。お願いですからここから出してください」

 

こんな思いだった。もう、なんというか必死だった。新卒は引きとめられてなかなか辞められないと聞いていたから、はっきり言おうと思って…。(あぁ思い出すたび申し訳ない)

 

 

そこで働いてた頃、勤務時間中は会社の中だった。ずっとパソコンの前って感じだった。

たまに自分のいるフロアから下の階に行くために階段を降りると、踊り場からとってもきれいな青空が見えて。「あぁ、めっちゃ鳥の気分…籠の中の鳥ってこんな気分なのかな…」といつも思ってた。

 

「お願いです。籠の鍵を開けてください」

 

この仕事が嫌いとかそういうのじゃない。でもここを離れたい。自分のために。自分の人生後悔しないために。

ずっとそんな風に「お願いだから、お願いだから」という気持ちで話してた。具体的にやることなんて決まってなくて、もちろん次の職探しもしてなくて。(転職のために辞めたというより、とにかく好きなことをしたかった)

 

世間には色々な目がある。大抵の人からは「どの会社だって同じだよ」「新卒だからそんなに辞めたいんだろうね」「私の前のところはもっときつかったよ」と言われた。

嫌味ではなく、私のことを心配して言ってくれていたのは分かってた。自分が甘いことだって重々承知。

 

でもそんな時、会社に強力な味方がいてくれた。

 

「24歳でしか感じられないものがある、いいから羽ばたけ」

「頑張れとは言わない。でもこんなところで『負けないで』」

「苦労には2つある。あなたが今しているのはやらなくてもいい苦労」

 

どれも私にとって大切な、大切な言葉。


辛くて泣いていると、「こんなところで潰れるな。こんなことで泣かなくていい。おかしいのはあなたじゃない」と言ってくれた。肯定してくれる存在がいるだけでこんなに楽になるんだなあと思った。

 

「しなくてもいい苦労」がある、と知れたのも新卒の私には大きかった。

新卒で入って他を知らないと、どうしてもその会社・仕事が全てになるし、周りを見られなくなるのだと思う。

 

「今、辛いのは私が弱いからだ」とか「社会は理不尽なのが当たり前なんだから、ここで踏ん張らないと」とかそんなことを考えてしまってた。

意外と辞めてもなんとかなるし、世間には色んな仕事と働き方があるのに。

 

あの頃は自分にかける言葉を完全に間違えていたなあ…。今ならそう思える。

心と体が一緒になってなくて、どちらかだけが先走って、どちらかが置いてきぼり。ありがたい言葉をもらったおかげで、やっとちゃんと自分と向き合えて、自分にかける言葉が分かり、自分がやるべきことがはっきりした。

 

それが私は「会社を辞めること」だった。もちろんそこで「その場所で頑張る」という選択もあると思う。どんな選択も正解。自分と対話して出した結論なら。

 

私はいつも「自分が納得して出した結論ならどんな答えもマイナスじゃない」と考えてる。

高校生くらいからかな?ずっとこの考えでやってきてる。


周りの人からびっくりされるような選択をしたり、はたから見ればネガティブな方を選んだりしても、私はめちゃくちゃポジティブな気分で飄々としてた(笑)


自分に自信があるっていうわけではなく、自分が納得してるから。こっちにいっても後悔しないって分かってるから。というか後悔しそうになったら、そうならないように全力で頑張るから(笑)

 

前職では素敵な友達との出会いもあって、別れはやっぱり寂しくて、最終日は涙が出たりもしたけれど、辞めて後悔した日は1日もない。後悔したらそれこそ「自分の人生に申し訳ない」から、とにかくそうならないように自分が思うように歩いてみた。

 

でも、前職の仕事自体はとっても好きで。日本中探してもあの仕事をしている人はほとんどいないレアな仕事で、そこでしかできないことだったから、前の会社に入ったことを後悔したことなんてない。

もう1回就活しても私はあの会社を選ぶと思う。そして、また同じタイミングで辞める(笑)

 

誰から始まったのか「3年は頑張る」という考えが一般的だけど、私にとっては前の会社にいた1年9ヶ月で充分3年分でした。「もう大丈夫です。満足です」って気分だった。結局自分次第じゃないのかな。

 

社会がなんと言おうと、人生は自分のものでしかないのだし。

 

「人生が何回もあるなら、ここで頑張るのもいいかもしれない。でも1回だけ、1回しかないんだから。早く辞めなさい」

 

これも最強の味方からもらった言葉。この方は私よりもずっと年上だから、いつでもはっきり言ってくれた。

人生1回しかないって結構な賭けだよなあ。これからのことだって何にも分からないけれど、ちゃんと自分の心と向き合ってやっていきたい。

 

そして、あの頃の自分と同じような人を見つけたら、私にとって味方がいてくれたように、そっと手を差し伸べられる人になりたい。そのためにはまずは自分が心にゆとりを持っていなくちゃな。

 

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#毎日更新119日目

出会いに出会う。古本屋。

「いつからいるの?」

「一体誰を待ってるの?」

 

棚から動かずただただ待ち続けている本達を見ていると、ついそう問いたくなる。

 

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ぴかぴかの本じゃない。

ここにあるのは、一度誰かの手に渡った本たち。

「一度」だけではなく、何度となく色んな人の手に触れられてきたのかもしれない。

 

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パラパラとページをめくれば、新品の本と違い、すっと手に馴染む感覚がある。

前の「読み手」の存在を感じる。

 

今度は私が新しい主になってもいいだろうか?

そう問うても、何も答えない。

ただそこにあるだけ。

 

だからこそ、自分が手にした出会いに運命的なものを感じてしまう。

そこから始まる新たな世界が垣間見える。

 

行ってみようか。

行けるだろうか、この本と。

 

半信半疑の期待を胸に、レジへ向かう。

 

「今日からお前はうちの子だよ」

 

帰ってきて、自分の本棚に並べる。

新たな家族。

 

さあ、どんな世界なのだろうか。

期待通りか、期待以上か、期待が無駄になるのか。なんだっていいじゃない。

ページをめくっている時間は、ものすごく満ち足りているのだから。

 

また誰かに出会えるだろうか。

もっともっと、素敵な世界に出会えるだろうか。

 

そんなワクワクする出会いが隠れているから、古本屋通いはやめられない。

 

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#毎日更新118日目

温泉でまったり湯ミニケーション!

全国津々浦々色んな温泉地があるから、埋もれがちだけど、鹿児島県は全国2位の源泉数を誇る。

一般的に「銭湯」と言われる公衆浴場のお湯もほぼ温泉!鹿児島市内のいたるところで温泉三昧。

 

有名旅館やホテルじゃなくても、地域の公衆浴場でもサウナや気泡浴、ジェットバス、うたせ湯など、様々な設備が整っている浴場が多い。早朝から夜まで営業しているところが多いから、ライフスタイルに合わせて入浴できるのも嬉しい限り。

 

私はずっと家以外でお金を払って入るお風呂はどれも温泉なのだと思ってた。だから、県外に住んでそうじゃないことを知ってびっくりした。温泉ってめちゃくちゃ貴重な存在だった。鹿児島であまりに温泉が当たり前なもんで…。

 

鹿児島にいて温泉好きな人なら、それぞれにお気に入りの温泉を持っているもの。私もそう。

そして、それは鹿児島のおばあちゃん達も同じ。だから、お湯に浸かりながら、サウナに入りながら、休憩所で涼みながら、会話が始まることがある。

 

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寒い冬の日、サウナでおばちゃんが「今日も寒かねぇ、全然あったまらんがよ」と話しかけてくれてお喋りに花が咲いたり、体を洗ってる時入口のドアが開いて冷気が入ってくると隣のおばちゃんと「寒いね~」と笑い合ったり。

 

ぼーっと癒されながら、人の温かさも感じられる時間。

 

それはドライヤーをしている時にも。行きつけの温泉の一つは、備え付けのドライヤーを使うのに3分30円かかる。過ぎたら強制終了。

髪の長さの割に量が多い私は、3分じゃ全ては乾ききらなくて、「ま、8割乾いたからいっか~」っと思って強制終了されたドライヤーを置こうとしたら、隣で同じように髪を乾かしていたおばあちゃんが

「ほら、これ使わんね!私の髪は乾いたから!」

と、轟音のドライヤーを手渡してくれた。

「私は楽よ~」

と、サラサラに乾いた髪を触りながら満足そうに脱衣所を出ていったおばあちゃん。

 

わ、わ!人って優しい!!

ちゃんとお礼を言う暇もなかった!

 

って感動しながら、隣の席につながれてるから少し無理な態勢になりながらも、髪を乾かし続けることができた。おばあちゃん、あのドライヤー、まだ分数結構残ってたよ…。ありがとう!

 

今日は初めてのところに行ったけど、湯上りに休憩処で涼んでたら、おばあちゃんがお茶くれた(笑)

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なんと今年で90歳!でも床に掌がべったりつくくらい身体が柔らかい(目の前で柔軟披露してくれた笑)。

座右の銘は「助け合い!いじわるしちゃだめよ!」らしく、その後も数本同じお茶を買って、常連さん達に配ってた。

凄い勢いで色んなことを話してくれたけど、おばあちゃんの純鹿児島弁が極まり過ぎてて、話半分くらいしか分からなかった(笑)私も一応鹿児島県民なんだけどなあ…。(笑)

 

とにもかくにも、温泉でのちょっとした出会いは温かくて心地よい。ますます温泉通いが増えそうな、まったり楽しいひとときだった^^

 

 

#毎日更新117日目

【茶道】葉月のお稽古

今月から月に2回のお稽古に戻ってしまった茶道。少し寂しいけど、やっぱり茶道がある日は午前中からわくわくしちゃう。

暑さの中マスクつけてお稽古するから、暑さとの戦いだった8月。

窯の蓋を開けたら汗がどっと出てきて、お終いにしてから水を扱うとすっと引く。身体と一体となってお点前してる感じがすごく楽しい。暑いけど。

今月からは拝見まですることに。茶杓の銘を考えると、一気に季節感がプラスされるなあ。

 

【蝉時雨】

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セミが元気なこの時期だけど、お菓子はひよこ(笑)実は春のイースターの時期に食べる予定で予約していた冷凍主菓子だったのだけど、コロナでお稽古が立て続けに中止になって、出番を逃してた子。かなり季節外れだったけど、可愛くて美味しかったから良し。

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お花は、むくげ、小判笹、吾亦紅(われもこう)。

 

私があまりに暑そうすぎて先生が「ほら!扇風機当たりなさい!」「背中から当てたら涼しいよ!」ってめちゃくちゃ気遣ってくださった…。

有り難い…!夏の暑さの前では、風流のかけらも無くてすみません…。

 

【巻き水】

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なんとも涼しげなお饅頭〜!

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今日から新しい棚。丸卓。サザエの蓋置き初めて見て、最初まじでなんだか分からなかった…(笑)

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お花は、吾亦紅、竜胆(りんどう)、きんみずひき。

 

今月も暑かったけど楽しかった!やっぱり茶道はすごーく元気が出る!来月は十五夜あるし、季節らしさがいっぱい!楽しみだ^^

 

 

在宅勤務再開

そういえば先週の金曜日からまた在宅勤務が始まった。

5月は在宅で6月から出社してたけど、正直「家でいいだろ…」と思ってた。

やっと上の人も気づいたみたい。ちょっと遅いけど、まあ、気付いてくれただけで有り難い。

 

ただ現在進行形で急ぎで進んでいる仕事はなくて、基本的には私が授業する相手がいないことには仕事がない状態。つまり、ベトナムにいる学生が日本に入って来られない限り、この状況はずっと続いてしまう。

 

ベトナムで勉強している子たちへのSkype授業や、こっちで働いてる子たちの日本語のサポートはしているけれど、それでもやっぱり時間は余る。

 

この時間的余裕ありまくり手持ち無沙汰な状況を友達に言うと、めちゃくちゃ羨ましがられるけど、やっぱりつまらない。

いつまで続くのか分からない感じもなかなかにきつい。

この仕事大好きだけど転職しようかなって思っちゃうくらい、毎日に張り合いがない。

 

普段だったら絶対時間なくて手を出さない仕事とかにも広げて、この耐え忍ぶ期間をなんとか充実させていきたい。

 

……

 

と、学生がいなくなった4月からずっと思ってる。とうとうやることが無くなりそうなことに恐怖を感じつつ、なんとかやっていきたい(笑)

 

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#毎日更新115日目

「3年間髪を切りません」外国人技能実習生の色々な覚悟

外国人技能実習生への日本語教育の仕事を始めて早1年8ヶ月ほど。コロナの影響で新しい実習生が日本に来られなくて、4月から授業はできていないんだけど…。

今まで出会った子たちのことを振り返ると、いろんなことを思い出す。授業をしていると、毎日毎日沢山の発見と驚きがある。本当にいつも刺激的。

 

今日は今でもよく覚えているある日の授業での話をご紹介。

 

その時間の授業は、もうすぐ会社に行く子たち相手だったから日本でよく使う言葉を教えようと普段のテキストではなく、副教材を使ってた。
その中で美容院でよく使う言葉集があって、女性だけのクラスだったからみんな興味津々。

ベトナムの美容院は日本とは0の数が一桁違うほど安い。ベトナムに住んでた時は周りの子たちが「安いから染めない?パーマかけない?」と再三勧めてきて断るのが大変だった(笑)海外で色々チャレンジするの好きだけど、さすがに美容院は勇気が出なかった。

帰ってきた時、日本での行きつけの美容師さんを困らせてしまいそうで(笑)

 

まあ、色々話しながら美容関係の言葉を教えていて、やっぱり行き着くのは美容院の値段の話。

「日本は高いですからね〜」

と私が言うと、みんなそれを知っていて、

 

「だからベトナムで切ってきました」
「3年間切りません」「3年間一緒です」


と笑いながら教えてくれた。

ベトナムの女の子は美意識、というか女子力がすごく高くて、写真を撮るのも大好き。写真を撮る時は何枚も構図やポーズ、フィルターを変えて撮る。

きっと、いつでも可愛く綺麗でいたいはずだけど、日本で働く3年間はそうした外見のお手入れも満足にはできないことを分かっているんだなあと。

私が教えている子たちはみんな親や配偶者、子供を母国に残し、それぞれが覚悟を持って日本に来ている。

色々な「覚悟」があるだろうけど、おしゃれ好きなベトナム人にとって、「髪を整えられない」(しかも値段が高いからという理由で)というのも、十分大きな覚悟だなと思った。

 

きっとまだまだ私が思う以上に、沢山の覚悟をして日本に来た子たち。

それぞれの人生に幸あれ。

どうか働く先がいい環境でありますように。

 

私にはそう願うことしかできないけれど、私なんかよりも何倍も強く、たくましいあの子たち。とにかく日本で元気に働いて笑顔で故郷に帰って欲しいと思ってる。

 

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#毎日更新114日目

古文初心者におすすめ!私の理想の「古典の本」【角川ビギナーズクラシックス】

誰でも知ってるかぐや姫。もととなった古典『竹取物語』の存在を知ってはいるけど、詳しく読んだことはなかったからずっと読みたいと思ってて。

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古本屋さんで目についたのが角川書店が出している「ビギナーズ・クラシックス 日本の古典」というシリーズの『竹取物語』。

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状態が良いのに、200円という破格の値段。パラパラっとめくったら、私が求めていた本な気がしてすぐに買った。

 

読んでみて「予感」は「確信」になった。まさに!私が「こんな古典の本があればいいのにな…」って思っていた理想が完璧に形になってた!

くだけた現代語訳。これ大事。今の人が読んでもしっかり引き込まれる文体ですごく分かりやすい。1度に訳されている量は見開き1ページもないくらい。

 

その後はすぐ、原文である古文が載っている。私は古文が好きなのもあって、まず古文を読んでから現代語訳に戻った。でも、苦手な人は現代語訳で理解してから、なんとなく古文を読めばOK。どっちのニーズにも合ってる。

 

そして、現代語訳の後は解説が載っている。この時代はこういう考え方が多い、作中の人物はこんな人だと考えられる…。素人にはそこまで深読みできなくても、解説で丁寧に説明してくれているから、一緒になって竹取物語の世界に入っていける。

 

そしてさらにその後には、当時の常識に関するコラムが載ってる。古文読んでるとよく「そもそもそんな昔の常識とか知らんし」ってなることがあるけど、その声に応えるように、きちんと説明がある。当時の服装や乗り物、月の満ち欠けの考え方とかは図もあるからかなり分かりやすい。

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この一連のセットが大体見開き2~3ページ分で、それが場面ごとにずっと続いているから、無理せずひとつひとつ理解しながら進んでいけるし、読めば読むほど無意識のうちに古文の知識も増えていく。

まじで求めてたやつ。
こんな夢の本、世の中にあったんだ。って感じ。

 

古本屋で見つけたから「絶版だったらどうしよう」って思ったけど、ちゃんと今でも売ってた。しかもたくさんの古文作品でシリーズ化されてた。え、まじで全部欲しいんですけど…。こんなんあったなんて。

できれば、中高生の時に出会いたかった…!そしたらもっと早く古文を好きになってたかも…!!27歳の今こんなこと嘆いてても仕方ないんだけど(笑)、とりあえず出会えたことに感謝。

古本屋って不思議。本との出会いって不思議。出会わせてくれてありがとう。

 

 

 

#毎日更新113日目

『小公子』セドリックは小さい泰麒そのままだった。

普段翻訳本は読まないし、この小説の名前も知らなかったけど、本屋で見つけてつい帯買いしてしまった『小公子』。

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いや〜、こんなん書かれて、この表紙のイラスト見せられたら、十二国記オタクとしてはもう買わずにはいられない!パケ買い!帯買い!!

だって泰麒好きだもん。青年泰麒も好きだし、雛泰麒も大好きなんだもん。

 

特に、十二国記『風の海 迷宮の岸』の雛泰麒が10歳と思えないくらい大人びた感覚を持ってる反面、年齢の割には言動が可愛らしすぎる違和感があったから、これを読んで何か見えてこないかな〜と思いながら手に取った。

 

「影響を受けた」とはいえ、そこまでではないかもなと思って読み進めていたけど、なんかもう、読めば読むほどセドリックは小さい泰麒そのままだった。小さい泰麒はセドリックそのままだった。

雛泰麒への違和感もすごく納得できた。

普通だとびっくりしてパニックになっちゃう状況の変化も、ぬるっと受け止めちゃう感じとかも一緒だった。

文章も綺麗だし、常に泰麒の面影が感じられるしで、読んでる間ひたすら癒されまくった。

 

大学の頃文学部で研究する中で、1つの作品を深く理解するために、その作者の他作品や影響を受けた作品とかまで読んでいったことを思い出した。やっぱり大好きな作品をこうして深く深く考えていくのはすごく楽しいなって。

ただの趣味でしかないんだけど、楽しい。

なんなら、ホワイトハート版と新潮文庫版で加筆修正あったところを分析して、どんな変化が加えられたのかを考えたいとか思っちゃってる(笑)愛が重すぎ。

 

一冊の本を何重にも何重にも味わい尽くすのは最高の贅沢なんだよなあ。

この街に降り注ぐ光は特別なものだと思う【スペイン・バルセロナ】

※以前運営していたブログから少しずつ移行しています。この記事は2018年無職ふらふら期の記事です。

 

社会人になって働き出して、もしいつか長期休みがとれたら、絶対にまたヨーロッパに行きたいと思っていた。

一番の理由は行くのがめちゃくちゃ大変だから。物理的に。

 

初めてのヨーロッパは、卒業旅行で訪れたローマとバルセロナ

移動距離、移動時間が長すぎて少しでも現地にいたいと思ってしまい、帰る時にはパリも追加すれば良かったと後悔したほど。

(私の卒業旅行の年はちょうどその前にパリでテロがあり、ヨーロッパ敬遠ムードだったのだけど…)

 

もうひとつの理由は日本では見られない景色、雰囲気に囲まれてワクワクが止まらなかったから。

ずっと夢の中にいるようだった。

 

よくヨーロッパの写真を見せると「ディズニーシーみたいだね」と言われるのだけど、そうなの!もちろんディズニーシー以上なんだけれど、もはやそれでもいい。それくらいずっと夢の国にいる気分。

 

きれいな面ばかりではないけれど、それも含めて、時間があったらまたヨーロッパに行きたいとずっと思っていた。

 

そして今回(2018.01)

 

その「いつか」は割とすぐにやってきて(思ってたよりも早く退職(笑))、約2年ぶりに行ってまいりましたヨーロッパ。

 

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行先を決める段階でフランスにしようかなーとか、ドイツのビール飲みたいなーとか色々考えたけど、今回一緒に行く母がぽろっと「ヨーロッパは最初で最後かもなぁ」とこぼしたのを聞いた時、「それなら、バルセロナに連れていきたい!」という考えが浮かんだ。

 

2年前の卒業旅行の時、初めて訪れたバルセロナ

そこで過ごした時間がとにかく大好きだった。

特に好きなのはこの子。

 

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言わずと知れた世界的に有名な建築物。

サグラダファミリア

外観のこの写真が有名だけれど、中もとにかくすごくて。

建築のことなんて一切分からない私でも無条件に感動した。惹き込まれた。

気付けば虜になってた。

そして、なんと今回のホテルは部屋の窓からこの子が…どーん!

 

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なんとも贅沢な景色。

鹿児島でいうと桜島のきれいに見える部屋を借りられた気分。

 

もちろん毎日会いに行った。

(地下鉄の最寄り駅がサグラダファミリア駅だから、必ず来るっちゃ来るんだけど(笑))

最終日なんて、「今度もし来るなら、もう完成しちゃってるだろう」と思い、ぐるっと回って360度撮影したりもした。

 

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サグラダファミリア、といえばこの佇まいが有名だけど、最終的にはこことは違う面に正面ができて(この写真でいえば左側)、こちらは横部分なのだそう。今のところ圧倒的正面感あるけど…!

 

完成予想図を見たけど、あと10年弱で間に合うのか!?と思うくらい、ものすごい進化だった。

 

外から彫刻をぼーっと見てるだけでも涙が出てきそうな気がするけど、中に入るともはや感嘆のため息しか出ない。

 

みんな感動して口を開けて、上を見てる。

この日、口あけすぎて喉痛くなりそうだった。(笑)

 

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時間によって、場所によって、どんどん変化していく光。

人工的に作られた建物の中にいるのに、こんなに自然の光の魅力を感じられる空間に身を置いたことはない。

バルセロナには他にも光の豊かさに感動できる建築物がたくさんあって、だから私にとってこの街は「光の街」っていう印象が強い。

 

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言語の壁なんて簡単に飛び越えて、心の垣根なんか初めからないかのように思わせて、ぐっと胸に迫ってくる景色に溢れてる。

 

だから訪れるたび、違う景色を見せてくれるこの街の光にまた会いに行きたくなる。

またいつか、あの光を浴びる日を楽しみに。

 

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ちなみにサグラダファミリアは、上に上ることもできる。これまた絶景。